
中小企業が取り組むべき
『DX』のステップ
第一回
「DXを学ぶ」
目次
①DXとは何か
②DXが必要とされている理由
➂社会の変化とDX
④インテグレーションとトランスフォーメーション
➄DXに戦略はあるのか
東京のある日の不動産会社

不動くん不動くん

ちょ、ちょっと社長!
今時そんな書類の山...
漫画じゃないんですから!
これも頼むよ。
田中さんが急病でね。

いい加減にうちも業務をDX化してアナログ業務を減らしましょうよ。
他社はどこもやってますし、
自動化されて効率化されたって話もよく聞きますよ。

ふむ...不動くんはDXを単なるデジタル化だと思っているのかい?

えっ、違うんですか?
DXって言うと自動化やシステム化っていう言葉がセットなので...

よし。いい機会だ!不動くんをDX推進に任命するから、
うちの会社を真の意味でDX化してみてくれ。
DXはIT知識がなくても取り組めるし、
それより興味を持ってできる人の方が適任なんだよ。

ええ!そ、そんないきなり言われても...
DXがそもそもどういうものなのかもよく分かっていないですし...

なあに大丈夫。IT会社からアドバイザーに来てもらうよう頼んでおくよ。でもDXを推進するのはあくまで不動くんだからね。

うう...不安だなぁ...


いやー!任せてくださいよ!
ハッハッハ!!
成功に応じて報酬出すよ。
DXとは何か
~DXの基本、教えてください!~

報酬に目が眩んでしまった...まぁ前々から興味はあったんだけども。
でも、具体的にDXって何をすることなんだろう。
いい疑問ですね!
DXは簡単に言えば、企業がデジタル技術を使って業務の進め方や
ビジネスモデルを変えることなんです。
例えば、紙で管理していたデータをクラウドに移して効率化したり、
AIを使って顧客データを分析して新しいサービスを提供するなどです。
それにより競争優位性を築くことがDXと言えます。

アドバイザー 蜂子

わっ!びっくりした...
あなたがアドバイザーの方ですね。

蜂子って呼んでください。
まずはDXに関する基本的なことを学んでいきましょう。
DXの基本と本質
~変革と企業価値~

デジタル技術を使うだけだとITの導入に聞こえちゃうんですが、
DXの基本や本質って何ですか?

確かにITの導入だけだと物足りないですよね。
DXの基本は『デジタル技術を活用して新しい価値を創造すること』なんです。単に業務を効率化するだけじゃなくて、デジタル技術を使って今までにないサービスやビジネスを作り出すことが重要です。

新しい価値を創造する、ですか…
具体的にどういうことですか?

例えば、オンラインショッピングの進化が分かりやすい例ですね。昔は商品を店頭で買うのが普通でしたが、今ではAIが好みを分析しておすすめの商品を提案したり、注文から配送までが自動化されているんです。それが新しい価値を生み出している部分です。

確かにモデルを変えたことで、新しいビジネスチャンスを得ている...
DXの基本は変革。
そしてDXの本質とは、新たに発見したニーズや課題の解決策を
デジタルの力で見いだし、企業価値を高めていくことです。

DXが必要とされている理由
~社会の変化とDX~

それにしても、何でこんなにもDXDXって騒ぎ始めたんでしょうか?

それは『社会の変化とDX』という切っても切れない関係にあります。
DX(デジタルトランスフォーメーション)は、
技術の進化によって社会そのものが大きく変わる流れの中で必要不可欠な取り組みなんです。

社会の変化...どういうことですか?

まず、社会全体がデジタル化に向かっていることが挙げられます。
スマートフォン、クラウド技術、AI、IoTといったデジタル技術が、
生活のあらゆる面に浸透していますよね。
たとえば、銀行業務もほとんどがオンライン化されていますし、
日常の買い物もデジタル化が進んでいます。
このような社会全体のデジタル化が進む中で、
企業や業界もそれに追随する必要があるわけです。











社会がデジタル化するから企業も変わらなきゃいけないということですね。

そうです。
さらに、消費者の期待や行動も大きく変わっています。
消費者は今、便利でパーソナライズされたデジタルサービスを求めるようになってきています。NetflixやAmazonを例に挙げると、個人の好みに応じた提案や迅速な配達など、まさにデジタル技術を使って消費者の期待に応えています。これに対応できない企業は、すぐに競争に置いて行かれるでしょう。

確かに、アプリのバージョンアップとかも目まぐるしいですよね。
企業が消費者の求めるものに対応するスピードを重要視していたからか。

その通りです。
次に、社会の変化の中で大きな要素は労働環境の変化です。
リモートワークやハイブリッドワークといった働き方が当たり前になってきています。これもDXの一環で、企業はデジタル技術を使って労働環境を最適化しなければなりません。生産性を高めながらも、従業員の柔軟な働き方をサポートすることが求められています。

コロナ以降、働き方が一気に変わりましたね。それもDXの一部なんですね。
社会の変化に合わせて、企業の内部も変わる必要があります。
また、持続可能な社会を実現するためには、
環境に配慮した行動が求められています。
今の時代、エネルギーを節約したり、資源を効率的に使うために、
デジタル技術の活用が企業にとって重要です。
例えばスマートシティのように、街全体でデジタル技術を使って
エネルギー消費を減らす取り組みが進められています。
DXは単なる技術導入ではなく、
社会の変化に合わせて企業がどう対応するか、その答えでもあります。
変化する社会で生き残り、成長するために、DXが不可欠なんです。

ちょこっと余談
デジタルインテグレーション
~トランスフォーメーションとの違い~

ちなみに、デジタルインテグレーションはご存じですか?

デジタルインテグレーション?
DXの仲間ですか?

DXと近い関係にありますが、異なるものです。
『デジタルインテグレーション』は、すでにあるシステムやツールをデジタル技術でつなげて、一つの流れにまとめることを指します。例えば、販売管理と在庫管理のシステムを連携させて、リアルタイムで在庫状況を把握できるようにすることです。いわば、デジタルで事業の価値を強化するということですね。

それがインテグレーションなんですね。
DXと違って変革はしないような感じですが。

そうです。インテグレーションとトランスフォーメーションの違いは変革を伴うか伴わないかです。DXでしか競争優位性を築けないというわけではなく、ビジネスモデルによってはインテグレーションだけでも競争優位性を築くことができます。例えば「スピード」。3日で届く荷物が当日に届くように進化させることは、ビジネスモデルの強化です。他社が真似できなければ、競争優位性を保てるでしょう。

業界やビジネスモデルによっては、
インテグレーションで事業価値を強化することを重視してもいいんですね。

そういうことです。
とはいえビジネスモデルの強化をやりつくしてしまえば、
あとは変革の道をいくしかないのですが。
まずは自社の強み、業界のDX進行具合を調査することも大事ですね。
DXに戦略はあるのか
~新しい価値を生み出すには~

DXについては大体理解できましたが、
問題は、DXでの新しい価値っていうところが...なかなか難しいですね...

ビジネスはオリジナルを生み出す競争です。
他社と同じことをやっても優位性は保てません。
重要なのは、他社と違う道を選択することです。
といってもすぐには難しいため、意識しながら過ごすことが大切ですね。

そうですねぇ...
管理物件情報と顧客情報を使ってマッチングサービスを立ち上げるとか...
あと営業活動履歴の情報をもとに、顧客向けに地域情報を発信するアプリも考えられそうだな。

まずそうやって考えてみるというのがいいことです。
自社の持つデータで優位に立てる分野は何なのかを洗い出し、
強調できるかが重要です。改めて社内のデータを調査してみましょう。
DXのステップ

今回は①のステップをクリアしましたね
まあね。報酬かかってるからね!

①
DXを学ぶ
②
DXを企画する
➂
DXスタート
④
DXを成功させる
➄
DXを継続させる
振り返り
DXの基本は「ビジネスの変革」
DXの本質は「企業価値を高めること」

DXが必要とされている理由
「社会全体のデジタル化に追随するため」
「競争に生き残り、成長するため」

インテグレーションと
トランスフォーメーションの違い
「変革を伴うか否か」
「業界やビジネスモデルによって選択が異なる」

DXの戦略とは
「他社と違う選択をする」
「オリジナル性を生み出す」
DXの基礎を学んだ不動くん。
新たな価値創出に向け社内調査をし始めました。
次回はいよいよDXを企画していきます!
今回は以上です!
