中小企業が取り組むべき
『DX』のステップ
第三回
「DXスタート」
目次
①パイロットプロジェクトの計画
②生じる摩擦への対策
➂簡単な成功体験
④小さな失敗
➄パイロットプロジェクトを成功させる
チームメンバーのおかげで企画書が整った不動君。
DXスタートに向け走り出す!
パイロットプロジェクトの提案
~まずはスモールスタートから~
部長、実はDXを進めるために新しい企画を提案したいんです。
デジタル化によって業務の効率化やコスト削減が見込め、
将来的には新たなビジネスに繋がると思うんです!
ふむ、DXか。
数年前に社長がとても興味を示していたが…
当時は積極的にやる者がいなかった。
時代がまだそこまでDXを重要視していなかったからな。
しかし、世の中の動きを見ていると、確かに我が社もそろそろ本腰を入れないといけない時期だな。
具体的にはどう進めるつもりなんだ?
上司 家入
まずは小さなスケールで始めて、
成功や失敗の経験をもとに大きな展開を考えています。
なるほど。小規模からスタートするのは悪くないな。
しかし、長期で取り組んだ結果が失敗に終わることは避けたい。
経営層にも説明ができないしな。
そのため、時間が無限にあるわけじゃない。
1プロジェクト3カ月で何らかの成果を出せるなら、
私がこの企画を全面的にフォローアップしよう。
3カ月ですね…。わかりました!
その期間で成果を出せるように計画を練って進めます。
よし、期待してるぞ。
パイロットプロジェクトの計画
~パイロットプロジェクトとは?目的と目標~
という形で、スモールプロジェクトの了承は得たのですが、
正直何から始めたらいいのか分からなくて...
スモールプロジェクト...つまりパイロットプロジェクトですね!
最初の取り組みとしてはとても良い考えです。
小規模な取り組みから始めて、成功や失敗の経験を活かしながら、
次のステップに進めるんです。
3カ月って言われちゃいましたけど...ハハ
上司の方の言うことはごもっともです。
例えば不動さんのお友達が投資で100万円を200万にして返すと言われて100万を預けたとしたら、どのくらい待てますか?
100万なんて大金だったら、そんなに待てませんよ!
毎月報告は欲しいし、数カ月くらいには少なくてもいいのでリターンが欲しいです!
会社も同じです。新たな取り組みは投資なのです。
そのためどのくらいの期間でリターンがあるのかを試算したい。
良いならもっと投資するし、ダメなら撤退。
不動さんがこの3カ月でやるべきことは、
掲げたDX目標が良いか悪いかを分かりやすく会社に示すことです。
生じる摩擦への対策
~反対してても敵ではない!~
やるとなったら、反対する人たちも出てくるんじゃないかと心配で…。
どんなプロジェクトにも、反対意見や懸念を持つ人たちはいます。でも、彼らは敵ではなく、むしろ協力者に変えるチャンスです。
彼らの意見をしっかり聞いて、なぜ反対しているのかを理解し、
その上で一緒に進める道を探るのがコツです。
反対勢力を味方にするのか…。
具体的にどうやって進めればいいんでしょう?
以下のようなやり方がありますが、最終的には巻き込むことです。
反対勢力への対応方法
1. 相手の懸念を理解する
反対する理由を理解しましょう。まずは相手の意見を聞くことが大切です。
「どうしてこのプロジェクトに反対するのか」「どの部分に不安を感じるのか」を
丁寧にヒアリングすることで、彼らの抱える不安やリスクが明確になります。
2. 反対意見は無視しない
反対意見には、しばしば貴重なフィードバックが含まれています。
その意見を積極的にプロジェクトに反映し、質を向上させましょう。
3. 反対勢力を巻き込む
反対する人を「批判者」ではなく、「プロジェクトメンバー」にしましょう。
彼らの視点を取り入れると同時に、協力者としての役割を与えることができます。
プロジェクトの進捗を一緒にモニタリングする役割を与えることで、
参加意識が高まり、反対の姿勢が変わることがあります。
4. 成果や実績を共有する
プロジェクトでの成功体験や成果を可視化し、共有しましょう。
成果を示すことで「懸念のリスクはクリアされた」「これは成功するかも」
という具体的な証拠は、反対の立場を緩和できる可能性があります。
5. 相手の立場を尊重し共感する
「自分たちが絶対正しい」という意識は捨て、反対勢力に共感を示しましょう。
特にDXは多くの人にとって未知の領域であり、変化に対する不安が強くなりがちです。
寄り添い、サポートする姿勢で信頼関係を構築することができます。
簡単な成功体験を詰む
~成功体験がもたらすメリット~
反対勢力への対応方法も分かったので、
上手くいきそうな気がしてきました!
ちなみに、パイロットプロジェクトで成功する秘訣はありますか?
シンプルな成功体験を積むことです。
小さな成功でも、モチベーションを上げる効果があります。
例えば、作業の一部がうまく進んだとか、関係者の反応が良かったとか、そういう小さな成功が次の原動力になります。
小さな成功体験って、結構重要なんですね。
成功体験がもたらすメリット
1. モチベーションの向上と維持
成功体験は、チーム全体のモチベーションを高め、
次のステップへ進むためのエネルギーになります。
「うまくいく」という実感を得られると、意欲や自信が向上し、推進力が強まります。
2. 信頼関係の構築
DX変革は、関係者に「この方向性で間違っていない」という安心感を与えることが重要です。
成功体験を積むことで、プロジェクトに対する信頼が得られ、
次のステップに進むための承認やサポートを得やすくなります。
3. リスク管理
パイロットプロジェクトは、DXの全体導入前にリスクや課題を洗い出す場です。
成功体験を得ることで、実際に使えるソリューションがあることが確認でき、
全体導入におけるリスクを軽減することが可能です。
4. 課題や改善点の明確化
成功体験があると、次のステップへの指針が明確になります。
「何がうまくいったのか」を分析し、全社導入へのベストプラクティスを見つけましょう。
また、成功体験が少ない場合、課題や改善点の特定も難しくなるため、前進が鈍ります。
5. 変革に対する抵抗の軽減
DXプロジェクトにはしばしば反対勢力や不安を持つ人々が存在します。
小さな成功体験を共有することで、彼らの不安を和らげ、
プロジェクトへの協力を得やすくなります。反対する人々の懸念を払拭しましょう。
6. 次のステップへの自信
パイロットプロジェクトの成功は、次のフェーズや全社展開への自信に繋がります。
成功体験があると、次の挑戦への心理的ハードルが下がり、前向きに進められるでしょう。
成功のカギ
~小さな失敗と成功例~
なるほど。でも、パイロットプロジェクトで失敗したらどうしよう…。
むしろ、パイロットプロジェクトでは失敗が大事なんですよ。
小さな失敗を経験することで、リスクを最小限に抑えつつ、
学びを得られます。
上司も、「1プロジェクトで」と言っていたじゃないですか。
あ、そうですね!プロジェクト単体のことを言っていました。
そうです。失敗は成功のもとです。
考えられる失敗事例ですと、
初期のコミュニケーションがうまくいかないことはよくありますね。
目標、進行状況、成果など、プロジェクトに関与する全員が共通認識として持てるようにする工夫は必須と言っていいでしょう。
なるほど。
パイロットプロジェクトを成功させるために一番大切なことって何ですか?
全体を見失わないことです。
小さな成功や失敗が積み重なると、時には目的を見失いがちです。でも、最初に立てた目標をしっかり見据えて、
全員が同じ方向に進んでいるか確認しながら進めることが、
成功へのカギです。
成功のカギは先ほどの失敗事例と対になっていますね!
DXのステップ
今回は➂のステップをクリアしましたね
ここからが本番ですね!
①
DXを学ぶ
②
DXを企画する
➂
DXスタート
④
DXを成功させる
➄
DXを継続させる
振り返り
最初は小規模な取り組みから始め
成功や失敗経験を活かせる
パイロットプロジェクトがおすすめ
反対勢力は敵ではない
むしろ味方に変えるチャンスである
初期は小さな成功体験を積むことが大切
次のステップへの原動力となる
成功のカギは初期目標からぶれずに
全員の方向性を確認しながら進めること
DX企画を通し、パイロットプロジェクトを計画!
注意点や成功のカギも学んだ不動くん、
プロジェクトを成功させ3カ月で成果を出すことができるのか?!
今回は以上です!