中小企業が取り組むべき
『DX』のステップ
第四回
「DXを成功させる」
目次
①外部への丸投げと焦りは禁物
②DXはスモールスタート
➂DXチームのバランスを取る
④データの取り扱いは慎重に
DX企画を通し、
パイロットプロジェクトをスタートさせた不動くん。
1カ月が経過したが、初めてのDXは不安だらけ...
外部への丸投げと焦りは禁物
~企業自身の成長と外部パートナーとの協力~
DXのパイロットプロジェクトを始めてもう1ヵ月経ったんですけど、
正直、素人の私たちでは上手くいかないのではないかと不安です。
やっぱり専門家に全部任せた方が早いんじゃないでしょうか…。
DXを進める中で結果がすぐ見えないと、焦りも出てきますよね。
ただ、ここで外部に全てを任せると、
企業の本来の強みが失われてしまう可能性があるんです。
どういうことですか?任せた方がスムーズに進むと思うんですけど…。
DXは単なる技術の導入ではなく、企業文化そのものを変えるプロセスなんです。外部に任せてしまうと、その変革が企業内で深く根付かず、
表面的な変化に留まる危険性があります。
特に、顧客のニーズや組織の内部の課題を最も理解しているのは、
外部の専門家ではなく、貴社自身ですからね。
確かに、当社の業務を深く理解している専門家を見つけるのは難しいし、企業文化や風土を知ってもらうには時間もかかりますね...。
パイロットプロジェクトのスケジュールは延ばせないですし...。
丸投げはいけませんが、『パートナー』として協力してもらうことは良いことだと思いますよ。専門家の助けを得ても、重要なのは企業が自ら成長していくということです。
DXの成功には、外部からの助言や支援をうまく活用しながら、
企業内での学びを深め、持続的に進化していく文化を育てることが不可欠です。
なるほど!
って...それって蜂子さんが今やってくれていることですね。
我が社のために...ありがとうございます...!!
DXの取り組みに協力したら、社長さんからNumber_iのライヴチケットもらう約束なんです。
感動返してくれます??
DXはスモールスタート
~小さく初めて徐々に拡大する~
部長には自信満々にスモールスタートを提案しましたが...
こんなに小規模で本当に大丈夫なんですかね?
最初からもっと大規模にやらないと、結局遅れを取っちゃうんじゃないかって心配なんです。
DXはスモールスタートが鉄則なんです。
大きなプロジェクトから始めると、途中で方向性が間違っていた時に軌道修正が難しくなりますし、コストも膨大です。
でも、小さなプロジェクトじゃ効果が見えにくいし、
成果も出るかどうか…。
パイロットプロジェクトで重要なのは『結果』より『学び』なんです。
最初は小さくスタートして、素早くサイクルを回し、
試行錯誤を繰り返して成長していくことがDXの本質です。
DXはよくIT化やシステムの導入が成功の指標と間違えられますが、
あくまでビジネス変革が目的です。
そうか...DXの「D(デジタル)」って言葉に囚われすぎていました。
「X(変革)」が真の目的でしたね。
その通りです。DXは一度に完璧なものを作ろうとするのではなく、
少しずつ改善を積み重ねていくプロセスです。
失敗から学び、次のサイクルでその知見を活かす。
そして徐々にスケールを大きくしていくのが理想の形です。
大きな投資をして失敗するより、小さくスタートして柔軟に改善できる方が、結果的に大きな成果を生むんです。
DXチームのバランスを取る
~社員の育成と今後求められる人材~
チームメンバーの育成も大事だと思うんですけど、
DXに通ずる資格とか取らせた方がいいですか?
資格があると安心感がある気がして…。
資格取得は確かに一つの目標になりますが、
気をつけたいのは、資格が目的になってしまうことです。
DXはあくまで実践が重視されるので、資格があるからと言って必ずしも現場で活かせるわけではありません。
特に、座学で学ぶことと現場で直面する課題は異なることが多いですからね。
正式なDXチームを発足する時には新たなメンバーも迎え入れることになるでしょう。
やはりITが絡むのでパソコンが得意なメンバーを優先した方がいいですよね?
チームを拡大する際には、デジタルに詳しい人とビジネスに精通している人のバランスに注意してくださいね。
ビジネスに強い人は成長率を上げてくれますし、
デジタルに強い人は成長速度を上げてくれますが、
どちらかに偏ってしまうとどちらかが疎かになってしまいます。
最初はこの両者の協力が必要ですが、
将来は両方を理解できる人材が求められます。
その人材を育てるために、今は組織全体でサポートしましょう。
データの取り扱いは慎重に
~個人情報と個人情報保護法~
ITの利用に関わらずですが、データの取り扱いは非常に重要ですよ。
自社でデータを扱う場合、そのデータをどのような目的で使用するかを
明確にすることが大前提です。
必ず個人情報保護法などに則った適切な管理ができているか確認する必要があります。
具体的にはどのように対応すればいいですか?
特に、データの保管場所やアクセス権限、第三者提供に関する規定は慎重に定める必要があります。万が一違反が発覚すると、勧告や罰則を受ける可能性があります。
まず、データ利用の目的をはっきりさせ、それに基づいた適切な管理体制を整えること。そして、個人情報を扱う場合は、利用者の同意をしっかり得ることも大事です。また、データが法的に適切に扱われているか、常に確認し続ける仕組みを作ることが必要です。
個人情報と個人情報保護法についてのポイント
1.データ利用目的の明確化: データをどのような目的で使用するのかをはっきりさせる。
2.適切な管理体制の構築: 個人情報を安全に保管・管理するための体制を整える。
3.利用者の同意取得: 個人情報を扱う際には、必ず事前に利用者から同意を得ること。
4.法的遵守の確認: 利用しているデータやシステムが法的に適切かどうか、
定期的に確認する仕組みを作ること。
5.万が一の対応準備: データ漏洩などが発生した場合の体制や対応手順を事前に策定しておくこと。
DXのステップ
今回は④のステップをクリアしましたね
なんとかここまでたどり着いたぞー!
①
DXを学ぶ
②
DXを企画する
➂
DXスタート
④
DXを成功させる
➄
DXを継続させる
振り返り
外部への丸投げは失敗に繋がる
企業自らが成長する先に変革がある
パイロットプロジェクトは学びが目的
小さく始めて試行錯誤のサイクルを素早く回す
DXは実践重視
チーム拡大はバランスを意識した構成を
データ管理は重要事項
有名なサービスでも必ず確認を
試行錯誤のパイロットプロジェクトだが、
社内の関心も徐々に高まり、風土も変化してきた。
DXチームは残り2カ月で成果を残せるのか?!
今回は以上です!